「管理職教育・育成のエキスパート」

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  テーマ17 管理職者としての「DO」、進捗管理の内容を、
        良く理解し、実践する

■部下育成、担当部署のPDCA推進のためには、
 管理職者としての日々のDO(進捗管理)が決定的に重要

部下に仕事を与え「PLAN」、部下が与えた仕事を終了した段階で、
その仕事の内容をチェック「CHECK」し、やり直しの指示を出すだけで、
管理職者としてのPDCAを行っていると思っている
管理者の方が多くいらっしゃいます。

上記のように、「PLAN」と「CHECK」の間で、
部下の仕事の進捗状況の把握や部下のモチベーションの維持・向上、
部下の職務能力向上のための指導など、管理職者として、
本来、行うべき、進捗管理「DO」の業務を全く行っていない、
行わなければならないこととして、
気づいていない管理職の方を数多く見受けます。
現実的には、部下を放置している状況ともいえます。

月、週、日、半日、1時間などのそれぞれの単位の中で、
管理職者として部下に、どのタイミングで、
何を話すべきなのかを考え、実践することが必要です。

管理職者として行うべき、進捗管理「DO」を意識的に行うことが、
仕事の品質の向上、納期遅れの防止、部下育成のために、決定的に重要です。

管理職者として行うべき、進捗管理「DO」がきちんとできると、
CHECKの段階で、
改善すべき業務個所や今後の部下の育成内容も明確になり、
「ACTION」仕事の改善も進みます。

  「PLAN」 考えて、考えて、考え抜いて、自ら目標を設定する。
  「DO」 部下の仕事の進捗状況の把握、部下のモチベーションの維持・向上、
       部下の職務能力向上のための指導。
  「CHECK」 部下の行った仕事のチェック、獲得すべき仕事の成果の獲得。
  「ACTION」 仕事の改善の実施。

■管理職者の進捗管理の4つの機能

目標や目標達成のための行動計画は、
遂行途中での想定外の問題発生や突発的に発生する他の仕事により
予定通り運ばないのが常です。

このため、管理職者は、進捗管理の本来の機能をよく理解することが重要です。
目標達成が遂行途中でなし崩しになるのは、進捗管理の機能を理解し、
実践していないことが多くの原因と考えられます。

進捗管理の機能は、担当部署内において、
管理職者が行うべきコントロール機能ともいえます。

進捗管理の機能としては、次の4つが上げられます。

 ●進捗管理(管理職者としてのDO)の4つの機能
   1.実行体制を整備する
   2.課題に対応する
   3.力を発揮する
   4.進捗管理は考える場

1.実行体制を整備する

進捗管理とは、実務的には、部署内のコミュニケーションの頻度と日時を決め、
コミュニケーションの内容を計画し、実行することであります。

目標達成のために仕事をどう進めていくのか、
行った結果により、仕事をどうコントロールしていくのか、
日々の仕事の中で、部下をどう育成していくのかなどを考え、
月、週、日、半日、1時間などの単位で、いつ、どの程度の頻度で、
どのような内容で、部下とコミュニケーションをとるのかを計画し、
実践することが必要となります。

2.課題に対応する

目標達成の過程においては、種々の課題が発生します。

管理職者は、木と森を見ることができる人間であることが望まれます。
個々の現状、個々の推移、全体の中での個々の位置づけ、
自社、自部署の状況、競合先の状況、外部環境の状況などを把握し
、 総合的な判断の中で、個々の判断を下し、目標を達成していく力量が、
管理職者には要求されます。

管理職者は、常に会社全体のメリットを踏まえた上で、
自部署が行うべきことを考え、決定し、部下に伝えることが必要です。

進捗管理の場においては、今どんな手を打つべきか、
そのためには、どのくらいの人員、時間、費用を掛けるのかを考え、
適確に行動することが必要となります。

3.力を発揮する

進捗管理の場は、管理職者にとって、
自分の考えや意志を徹底する場として、
部下の指導・育成の場として重要な場となります。

管理職者は、自分の設定した目標は、
必ず達成するという強い意志を常に持ち、
業務の遂行、部下の指導・育成を行わなければなりません。

管理職者(組織の長)としての
本来の熱意、努力、勇気、信念、責任感・使命感とは
何なのかを意識し、自覚することが重要です。

進捗管理の場は、管理職者として、部下の意欲を仕事に結びつけ、
部署の目標を達成していくという、
人と仕事のマネジメントの実践の場となります。

部下のモチベーションを維持、向上させるためには、
どのような言葉をかけてあげるとよいのか、
部下の職務遂行能力を高めるためには、どう指導するとよいのかを考え、
タイミングのよいコミュニケーションを積極的にとることが重要です。

進捗管理の場は、管理職としての力を発揮する場であり、
また管理職者としての力を試される場でもあります。

4.進捗管理は考える場

進捗管理の場は、目標を達成していく場でもあります。
多くの場合、当初の目標どおり仕事は進みませんが、
何らかの形で目標を達成していかないと甘い上司となり、
リーダーとしては不適格となります。

進捗管理は、考えるという作業でもあります。
当初予定した実施事項に対し、
未実施の状態や実施はしても数値目標が未達成の状況が続いた場合は、
何故なのかを考えなければなりません。

ただ単に、努力が足りないのか、目標や行動計画自体に問題があるのか、
このどちらかを見極めるのも管理職者としての重要な仕事となります。

この考えるという作業の中で、
仕事の改善や新しいビジネスチャンスを発見する場合が、数多くあります。